参議院議員小西ひろゆき公式サイト

原発事故の観光風評被害を「千葉モデル」により救済

原子力事故賠償法制の与野党協議

2011年3月11の東日本大震災による福島第一原発からの放射能汚染水は、千葉県の沿岸では汚染値は検知されませんでした。しかし、茨城沖では検知されたため、千葉の旅館ホテルなどの観光業に甚大な「原発事故の風評被害」が生じました。

ところが、同年8月に公表された政府の第三者委員会が策定した風評被害に関する賠償指針では、千葉は液状化などによる観光業の被害(浦安市のTDL等)があったため、「県内の全ての観光被害を原発事故に帰因することはできない」等との判断から、千葉は県域単位としては風評被害の認定エリアから除外されることになりました。

その結果、千葉の旅館ホテル事業者等は、(最終的には)東京電力に損害賠償の訴訟を起こす以外に救済の道が閉ざされてしまいました。

賠償指針を読み込み、官僚へのヒアリングも実施しその本旨を理解した私は、現に重大な風評被害を受けている千葉の観光事業者を救うためには賠償指針の変更等は現実的な方策でなく、千葉に被害者・加害者が参加する賠償の協議会を設置し、賠償指針と同等の救済を実現するべきであるとの構想を描きました。

そして、当時、私は、(まだ当選一年の議員でしたが)原子力損害賠償支援機構法の取りまとめを担った東日本大震災復興特委の理事として、賠償担当の経産省と加害者の東京電力に調整を行える政治力を有していました。

そこで私は、経産省の担当者と議論しながら議員会館のパソコンで自ら賠償協議会の構想及びその実現の手順を文書にまとめ、その内容について経産省事務次官と東京電力社長から了解を取った上で、千葉県副知事(総務省からの出向者)と観光事業者(千葉県旅館ホテル組合)に提示しました。
私の構想について、関係者全ての同意を得て、2011年10月に千葉に観光事業者、東京電力、経産省、千葉県の四者からなる原発事故風評被害の賠償協議会が設立され、これにより、県内で1,500以上の事業者を救済し、更に、この仕組みは「千葉モデル」として宮城県などの他の多くの被災県でも実行されることとなりました。

(※ なお、この時の法案担当者の糟谷敏秀氏が、2019年の台風15号災害の際には経産省官房長となっており、信頼関係を基に停電した老人ホーム等への電源車派遣作戦などを共にすることとなりました。)

前 千葉県旅館ホテル組合理事長・同観光協会副会長 平野 勝之 さん

小西先生は、膨大な被害を受けた観光事業者が陳情をする前から救済の協議会設置のために尽力下さっていました。たぐいまれなる英知と指導力により、未曾有の苦境の中から千葉の観光事業を救って下さった恩人として感謝の念にたえません。

※ 「千葉モデル」の賠償協議会を実現した小西の調整文書

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