千葉に自衛隊ブルーシート設置部隊を創設!
2019年9月9日に千葉を襲った台風15号は被災家屋8万超という未曾有の大災害となりました。次の雨までにブルーシートを設置しなければ、浸水により家屋が腐敗しかねない。
参院外交防衛委員会の理事会メンバーであった私は、被災地を駆け回る中で、「これだけ多数の家屋に短期間でブルーシートを設置できる力は自衛隊以外にない」と確信。
自衛隊法に基づく知事から防衛大臣への派遣要請を実行させるために、直ちに、防衛省幹部に出動準備を要請し、その内諾を持って千葉県庁幹部と協議を行い、9月14日に自衛隊のブルーシート設置任務の発動を実現しました。
しかし、内閣府防災と千葉県庁が被災実態の把握などを怠ったため、ブルーシート部隊は数百人規模に止まっていました。私からの再三の増派要請に対して、被災地に一度も入っていない内閣府官僚らは頑強に抵抗を続けました。
こうした事態を打破するため、私は信頼関係を培っていた鋸南町に県庁への増派要請を事前に依頼し、9月22日(日)の夜になされた要請を梃子に「増派の必要性を詳細に論じた調整文書」を内閣府官僚や県庁幹部に提出し、その日のうちに抵抗を打破して全県にわたる増派を実現することができました。
自衛隊ブルーシート部隊は最大2,000名まで増強され、鋸南町では数十名体制から400名体制となるなど多くの被災家屋を救って頂きました。
また、私は、ブルーシート部隊の創設と同時に、現地で救援活動をして下さっていた災害専門家の方々に「強度と簡便性を兼ね備えた千葉版ブルーシート設置マニュアル」の作成を依頼。同マニュアルを内閣府官僚に指示して千葉県庁の対策会議に提出させ、自衛隊や消防隊などでの活用を確保しました。
更に、増派された自衛隊のブルーシート設置部隊の任務を最大限に全うし、一人でも多くの被災者を救うため、防衛省に対し事務系官僚の千葉県への派遣を要請。防衛省は翌日に統合幕僚監部所属の二名の官僚を派遣してくれました。
※ 自衛隊ブルーシート部隊の増派などを実現した政策資料
- 190922 ブルーシート設置 内閣府防災宛て要請
この資料は自衛隊ブルーシート部隊の増派を行わないことが内閣府、千葉県の法的責任及び政治責任になることを論証し、内閣府官僚と県庁幹部に千葉全県の増派要請を実行させた文書です。 - 190925 ブルーシート設置に係る任務について
この資料は自衛隊ブルーシート部隊の増派後に小西の要請により千葉県に派遣された防衛官僚らに役立つように、具体的にどのように任務を遂行する必要があるかなどを説明した文書です。
【小西による台風15号災害のその他の取組】
■停電復旧のための自衛隊の倒木除去部隊の創設
2019年9月9日の夜に来襲した台風15号は多数の倒木が電線網を切断し、千葉県に64万軒を超える大停電を引き起こしました。
私は翌10日と11日にかけて、かつての勤務先の経産省や地元の東京電力の関係者から「多数の倒木のために容易に停電復旧しない」との内々の情報に接していました。ところが、当時の安倍政権は政治日程を優先して11日に内閣改造を強行し、東京電力はその前日10日の夕刻に「11日中に停電復旧の見込み」との旨を公表させられていました。
政府関係者等からの真実の情報と被災地視察を通じて、私は、「これだけの全県にわたる倒木による停電の復旧のためには、自衛隊の災害派遣要請により倒木除去を行うほかない」との確信に達し、事前に防衛省幹部に対して「千葉県知事から自衛隊法に基づく派遣要請さえ受ければ可能なことは全てやる」との言質を取った上で、千葉県庁幹部に派遣要請を求めました。
しかし、幹部は「倒木除去は電気事業者の仕事」、「全県の除去だと自衛隊の大規模派遣が必要になる」などと主張していたところ、神奈川県が鎌倉市の停電復旧の倒木除去で自衛隊の災害派遣要請を行ったとの情報に接し、「神奈川県が要請してなぜ千葉県がしないのか。自衛隊は24万人おり、何万人でも要請すればいい」と説き伏せ、自衛隊の大動員(最終的には一万人体制)による倒木除去任務を発動させました。
また、同11日から12日にかけては県庁幹部と内閣府官僚に指示し、県庁の被害状況取り纏め作業が遅滞していた災害救助法(水・食料・避難所などを国が全面支援する制度)を「東京電力が既発表している停電マップだけで被害状況を推定する」という簡便な審査により発動させました。
さらには、この間には、東日本大震災の原発事故対応のカウンターパートとして旧知であった経産省官房長らと連携し、停電によるガソリンスタンド閉店の事態に対処し、被災地域の総合病院の医療従事者らの通勤確保のためのガソリン供給などに取り組みました。
■停電した老人ホームなどへの電源車派遣作戦の実行
倒木除去の自衛隊出動がなされても、停電は直ちには復旧にはいたりません。停電の長期化によって千葉県内の病院や老人ホームなどは深刻な事態に陥りました。
発災後の翌10日には森田県政の問題意識・使命感の薄さなどを見限った経産省は自らの力で対処することとし、省内に対策チームを設置し、11日からは県内の市町村に官僚を派遣(最大で93名)しました。そして、厚労省・自治体・東京電力と連携し、全国から集めた電源車を各施設に供給する取組を行いました。
私は、前年の循環器病対策推進基本法の制定のカウンターパートであった厚労省の災害対応責任者とも連携し、こうした組織的対処の確保と地域ごとの施設のリスト化、更にはその一件一件のしらみつぶしの安否確認等を要請・指示するとともに、私自身のネットワークによって、リストから漏れた10件余りの老人ホーム、障がい者施設などに電源車供給を手配しました。
なお、経産省の派遣官僚は電源車だけでなく水・食料の確保を含めあらゆる行政支援の窓口を務めてくれました。これは本来、内閣府防災(県庁のみに数名を派遣)や総務省自治部局(派遣はゼロ人)、千葉県(13日になって各市町に派遣)が行うべきものでした。
※当時の小西のツイートより